去る11月11日、町内の長福寺(高田地区永井野)で坐禅を体験し、会津三十三観音の’御詠歌’を教わってきました。なぜいきなり歌詠み?なぜお寺で?と思った方のため、少しだけこのイベントについて復習しますね。
ある一人の女子大学生(以下、彼女)が大学の課題で『地域伝統の継承』をテーマにプロジェクトをまとめることになり、日本遺産にも認定された会津三十三観音めぐりにまつわる’御詠歌’の伝授について取り組むことになりました。
ちょうど私たちこらんしょwomanの中でも、「歌詠みを覚えていつか三十三観音巡りしたいね」と話していたこともあり、コラボして歌詠みの伝授決定!(彼女とこらんしょのみんなは去年のイベントで顔見知り)。
教えてくれる人は?それは彼女が生まれ育った高田地区荻窪のお母さん方、小さい頃から顔馴染みのお母さん方は快く引き受けてくださいました。
場所は?「そういえば近くに坐禅カフェとして開放しているお寺があったよね?」永井野の長福寺・・・実は長福寺も彼女が子供のころ『子ども坐禅会』に参加していたのでご住職とも仲良し。(ご住職には大変失礼ですが、仲良しのように見受けられました)
そして荻窪のお母さん方6名を講師にお迎えし、永井野の長福寺の本堂で世代を超えた歌詠みが開催されたのです。
まず最初に坐禅を組みました。参加者殆どが初めての体験です。正しい姿勢でなくても大丈夫、無理のない楽な姿勢でのぞみました。外から差し込む柔らかな日差しの中で、呼吸を整え、鳥のさえずりや、風の音、落ち葉の音など、いろ〜んな音を感じることができました。それから仰向けになり、寝転んで天井を見る事で浄土の世界を体験できるという、参加された皆さんどうでしたか?私は天井からのお飾りが眩てあの世はキラキラして素敵なのかな?なあ〜んて感じてました。何より普段本堂に寝っ転がる事なんてまずないですから(笑)、貴重な体験でした。
そしてメインの歌詠みです。今回は荻窪バージョンですが、所変われば、歌詞の読み方、節まわし、鐘の打ち方、様々です。多くは仏事で詠まれる歌詠みですが、荻窪地区では安産祈願、33歳の厄払い、60歳のお祝いなどで地区の女性たちが集まり、歌詠みをしていました。お勤めの女性が多くなった今、みんなの都合が合わないなどでお祝い事での歌詠みの風習はなくなってしまったようです。
歌詠みは最初に講師たちに5番までを詠んで頂き、私たちはしっかり耳コピー。次に講師と一緒に1番から33番まで通して詠みました。スローテンポでしめやかに。終わりの合図の鐘が鳴り響き、最後はみんなで合掌。「ふう〜」安堵感のため息をつくや否や、講師から 「はい、次はみんなだけで詠ってみっせ」
・・・そして私たちだけで5番までを詠ってみる・・・
「なんだって上手に詠ったごど〜合格だな」と、お褒めの言葉を頂き、歌詠み伝授は無事に終了〜。
私たちが歌詠みをしている間にご住職がお茶の準備をしてくださり、和気あいあいとお団子を食べながらお茶の時間。長福寺特製野草茶は、会津の野草をブレンドしたほんのり甘く優しい味のお茶、そして地元のリンゴをふんだんに使ったアップルシナモンティも香り豊かで砂糖を一切使わないリンゴだけの甘みで美味しくいただきました。
お茶のお代わりを頂きながら、歌詠みの事、参加者それぞれの地区の事、坐禅会の事、10代から70代まで、世代を超えたお茶会は、時間を忘れていつまでも続きました。
この歌詠みを忘れないうちに、いつかみんなで会津三十三観音めぐりをしてみたいね〜、そして今度は違う地区でも歌詠みを教えてもらいたいね〜・・・そんな事を話しながらお寺を後にしました。
この度、歌詠みを教えますよ〜と快くお引き受け下さった荻窪のお母さん方、ありがとうございました。また、お忙しい中、お寺の本堂を開放してくださり、坐禅会まで開いてくださった長福寺のご住職、そして準備をしてくださったご住職の奥様、この企画を提案してくれた女子大学生、参加された全ての方に御礼申し上げ、歌詠みin坐禅カフェのご報告とさせて頂きます。
記:福田祐子